ずいずいずっころばし
わらべうた
福島県福島市
ずいずい ずっころばし
ごまみそ ずい
ちゃつぼに おわれて
トッピンシャン
ぬけたら ドンドコショ
たわらの ねずみが
米くって チュー
チュー チュー チュー
おとさんが 呼んでも
おかさんが 呼んでも
いきっこなしよ
井戸のまわりで
おちゃわん かいたの
だあれ
砂山
作詞 : 北原白秋 / 作曲 : 中山晋平
/ 作曲 : 山田耕筰
新潟県村上市
海は荒海(あらうみ)
向こうは佐渡(さど)よ
すずめ啼(な)け啼け もう日は暮れた
みんな呼べ呼べ お星さま出たぞ
暮れりゃ砂山
汐鳴(しおな)り ばかり
すずめちりぢり また風荒れる
みんなちりぢり もう誰も見えぬ
かえろ かえろよ
茱萸原(ぐみわら)わけて
すずめさよなら さよなら あした
海よさよなら さよなら あした
(大正11年)
せいくらべ
作詞 : 海野 厚 / 作曲 : 中山晋平
山梨県富士河口湖町
柱のきずは おととしの
五月五日の せいくらべ
ちまきたべたべ 兄さんが
計ってくれた 背(せい)のたけ
昨日くらべりゃ 何のこと
やっと羽織(はおり)の 紐(ひも)のたけ
柱にもたれりゃ すぐ見える
遠いお山も せいくらべ
雲の上まで 顔だして
てんでに背伸び していても
雪の帽子を ぬいでさえ
一はやっぱり 富士の山
(大正12年)
惜別のうた
作詞 : 島崎藤村
宮城県蔵王町
遠き別れに 耐(た)えかねて
この高殿(たかどの)に のぼるかな
悲しむなかれ わが友よ
旅の衣(ころも)を ととのえよ
別れといえば 昔より
この人の世の 常なるを
流るる水を ながむれば
夢はずかしき 涙かな
君がさやけき 目の色も
君くれないの 唇(くちびる)も
君がみどりの 黒髪(くろかみ)も
またいつか見ん この別れ
(昭和19年)
船頭さん
作詞 : 武内俊子 / 作曲 : 河村光陽
栃木県栃木市
村の渡(わた)しの 船頭さんは
今年六十の おじいさん
年はとっても お船をこぐ時は
元気いっぱい 櫓(ろ)がしなる
ソレ
ギッチラギッチラ ギッチラコ
雨の降る日も 岸から岸へ
ぬれて船こぐ おじいさん
今朝もかわいい仔馬(こうま)を二匹
向こう牧場(まきば)へ 乗せてった
ソレ
ギッチラギッチラ ギッチラコ
(昭和16年)
早春賦
作詞 : 吉丸一昌 / 作曲 : 中田 章
栃木県日光市
春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯(うぐいす) 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず
氷解(と)け去り 葦(あし)は角(つの)ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日もきのうも 雪の空
今日もきのうも 雪の空
春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急(せ)かるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か
(大正2年)